- 三保谷 泰輔
屋根裏から見つかったもの
前回のブログで、店舗の天井を剥がしてみたら、味わいのある板張りの
元々の天井が出てきたことを書きました。
店舗のセルフ改修は、通常業務の合間を見て、少しずつ進めていましたが、
思いがけない発見があったことで、それまで当たり前に過ごしていた、
仕事場周辺を、無意識にキョロキョロ眺めるようになっていました。
あるとき、それまで気にも留めなかった、天井裏に何かがあるのに気が付き
ました。
でも、埃だらけで上がったら汚れるし、大変そうだから辞めておこう、と
スルーしようと思ったのですが、そこに何があるのか?気になって仕方ない。
そこで、思い切って屋根裏に上がってみました。
すると、昔の生活用品や、何だか分からないモノの一部みたいなものが
たくさん置かれたままになっていました。
大半は、アンティーク品とか、古道具、みたいな魅力的なものでは無かったのですが、
昔、店頭で販売していた、昭和の時代のガラス製品がデッドストックとして見つかりました!
一部は、木箱に入れられ、藁を養生に詰めてあるような古そうなもの!
それ以外にも、昭和の中盤から終わり頃と思われるものが、段ボールに
次々と見つかりました。

余りにも埃だらけで、そのままでは状態が分からないので、屋根裏から降ろして、
暇を見つけては、ガラス製品をひとつひとつ洗って、状態を確認している内に、
店舗を古さを生かした形で、綺麗に改修して、この古いガラス製品を並べたら、
古いけど、今風のスッキリした町家カフェみたいな、空間になるんじゃないか?
というアイデアが浮かんで、これをやってみることにしました。

こうして文章にすると、あっという間に出来たような感じがしますが、
ひとりで、合間を見て作業してるので、この内容に5年くらいかかってます(苦笑)
この写真のパッチワーク木材は、元々ガラスの運搬時に養生用に使われていたものを、
祖父が、天井や壁を化粧する下地の木材として再利用していたものです。
それを、今度は私が解体した時に、写真のようにパッチワーク風に再利用出来るんじゃないか?と思いつき、さらに再々利用したものです。
こうして、少しずつ、身の回りを観察して、気になったところや、気になったもの、
ひらめいたり、イメージが浮かんだことを、形にしていったら、通りすがりの方が、
お店を覗きに来るようになり出しました。
このように、気になったことを、ひとつひとつ実行していくうちに、段々と
身の回りにある「今あるもの生かす」ことをしていくうちに、ご先祖さまや、今の建物、
今ある環境、今ある物を生かして、様々な要素がパズルのピースがはまっていくように、
色んなことが整いつつあるような気がしてきました。
こうして動き始める前は、今は新しい何かに取り組むには、まず、お金を稼いで、
資金を用意しないと何も出来ないとか、今していること以外の何かを探して
無いから始められない、見つからないから出来ない、と堂々巡りをしていました。
でも、こうして「今あるもの生かす」ことを意識し始めると、いかにお金をかけずに、
「良いな!」と感じる空間や、商品をつくり出せるか?を模索することが楽しくなり、
店舗や商品が生まれ、現在の形になっていきました。
つづく
伏見屋ガラス店 店主 三保谷 泰輔